「草葉の陰」の正しい使い方は?意味や語源を解説

日本語って、難しいですよね。

 

最近だと、クイズ番組なんかで

「この日本語の意味はどちらでしょう」みたいな

問題が出されることがあるのをよく見かけます。

 

高齢者が使っている言葉の意味と、若者が使っている

言葉の意味が変わっている、という話もよく耳にします。

 

流行言葉ができて、広辞苑に新しい言葉が掲載されるという

ニュースも見たりします。

 

かしこまった場所なんかでは、難しい言葉が使われたり、

自分をよく見せたいときには自分でも使ったりしますよね。

 

でも、意味が間違っていたら…恥ずかしい。

もし、相手の言っている言葉の使い方が間違っていたら、

結構気になりますよね。

 

 

私は仕事関係の人に一度言われたことがあるのですが、

「草葉の陰から応援しています」という言葉。

 

私が転勤するときに、取引先の方から言われました。

 

恥ずかしながら、初めて聞いた言葉だったのですが、

どういう意味だろうと調べてみてびっくりしました。

 

その人は使い方を間違えていたんです。

 

この言葉について、詳しく解説していきましょう。

 

草葉の陰の意味や語源

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先ほど書いた、「草葉の陰から応援しています」という言葉。

 

その人は、多分、「影ながら応援しています」という意味で

使ったのだと思います。

旅立ちの時に言われると、すごくありがたく感じますね。

 

そういう意味だと解釈すると、

なんとなくわからないでもない言葉ですよね。

 

なんか、電柱に隠れて見守っているような、何かのアニメで見たような

光景を思い浮かべます。

 

でも、本当の意味は違うんです。

 

 

「草葉」とは、その字面の通り、草や葉っぱが生い茂った場所のことです。

「草葉で…」という使い方なら、葉っぱが生い茂った場所なんだな、という

意味でとらえることができます。

 

あまり「草葉で」という言葉を使う人はいないかもしれませんが…。

 

 

しかし、「草葉の陰で」という言葉になった時、「草葉」の意味が変わります。

 

この場合の「草葉」は、墓場のことを意味します。

草が生い茂った場所の陰、見えないところ、地中。

 

「私が今いる地中で」「あの世から」ということになります。

 

昔は土葬が多かったため、そのあとに草がはえてくることが、

「草葉の陰」の「草葉」なのだと思われます。

 

 

なので、私が言われた、「草葉の陰で応援しています」という言葉は、

「影ながら応援しています」という意味ではないということが

わかると思います。

 

私は、生きているその人に、「あの世から応援しています」と言われたのです。

 

ちゃんと意味を知るとかなり謎ですし、かなり怖い話です。

 

 

草葉の陰を誤用すると失礼になるので注意

 

先ほど書いた、「草葉の陰で応援しています」という言葉。

 

自分が言われたのであれば、「ああ、間違えて覚えているんだな」と

多めに見られますよね。

 

でも、自分が間違って使っていたら…と考えるとぞっとします。

 

 

「草葉の陰から」というのは、「あの世から」という意味です。

 

例えば、「お父さんも草葉の陰から見守っていると思うよ」という言葉を

伝えたとします。

 

もし、お父さんが亡くなっているのなら、

「お父さんもきっと天国であなたを見守っているよ」という、

励ましのありがたい言葉になります。

 

 

しかし、もし、お父さんがまだ生きていたら。

 

 

同じ言葉を伝えられた時に、「いや、お父さん生きてるから」という

話になるわけですね。

 

とても失礼な言葉ですね。

 

 

では、きっとこういう意味だろうな…として受け取った、

「陰ながら」という言葉はどうでしょうか。

 

「陰」は、見えないところのことを指します。

何かにさえぎられて見えないところのことです。

 

陰にいたら見えないですし、直接の関わりは持てませんね。

 

なので、意味としては、「人知れず」ということになります。

 

「心の中で」とか、「そっと」とか、「ひそやかに」という意味で

とらえるのがいいと思います。

 

 

ですが、私だったらただ「応援しているよ!」と言われた方が

気分はいいかなと思います。

 

 

「陰ながら」という言葉は、その後に続く言葉の意味を弱めてしまうので、

本当に応援しているときには使わないほうが良いかもしれません。

 

例えば、目上の人に使うのであれば、丁寧で控えめな感じが出るかもしれませんが

友達とか、同僚とか、近しい関係の人だった場合には、

なんとなく「社交辞令なのかな?」と受け取られかねないので、

気を付けたほうが良いかもしれません。

 

正しい言葉を使うこともマナー

日本語。

 

本当に難しいですね。

 

外国の人にとっては、日本語をマスターするのはとても難しいと

聞いたことがあります。

 

「バイト敬語」などと言われたりしますが、

「こちらでよろしかったでしょうか」「○○円になります」など、

間違った使い方が当たり前のように使われてしまい、

それが通用してしまうこともありますね。

 

 

言葉の意味は変わっていくものだと私は思っています。

昔の言葉が今の時代にそぐわないということもたくさんあると思います。

 

しかし、難しい言葉を使うなら、やはり使い方や意味は

知っておくべきだと思います。

 

言葉は自分ひとりで使うものではありません。

相手がいてこそのものです。

 

 

正しい言葉を使う。

それは、相手に対する配慮であり、マナーだと思います。

 

 

でも、やっぱり難しいですね。日本語。

 

私も気を付けます。